2017年度 プロ野球 順位表
2017年度のプロ野球は、セントラル・リーグは広島東洋カープの連覇。パシフィック・リーグは福岡ソフトバンクホークスの優勝、そして日本一という結果で全日程が終了しました。
セントラル・リーグ
優勝 広島東洋カープ
2位 阪神タイガース
3位 横浜DeNAベイスターズ
4位 読売ジャイアンツ
5位 中日ドラゴンズ
6位 ヤクルトスワローズ
パシフィック・リーグ
優勝 福岡ソフトバンクホークス
2位 埼玉西武ライオンズ
3位 東北楽天イーグルス
4位 オリックス・バファローズ
5位 北海道日本ハムファイターズ
6位 千葉ロッテマリーンズ
日本一 福岡ソフトバンクホークス
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プロ野球 2017年シーズンを振り返る 投手編
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プロ野球の2017年シーズンは、福岡ソフトバンクホークスの日本一で幕を閉じました。2017年シーズンをピッチャーの活躍を中心に振り返ってみましょう。
まずはセリーグですが、巨人の菅野智之投手の活躍が際立っていました。17勝5敗で防御率1.59という素晴らしい記録を残した結果、最優秀防御率、最多勝利、そしてベストナイン、守備力が評価されるゴールデングラブ賞、さらには先発完投型のピッチャーに贈られる栄誉ある沢村賞と、数々の賞に輝きました。シーズンに先立っては、WBCに侍ジャパンのメンバーとして出場するなど、名実ともに日本を代表するピッチャーであることを、成績をもって改めて示しました。
この他、リーグ2連覇を成し遂げた広島の3年目、薮田和樹投手も印象に残る活躍でした。15勝3敗で勝率8.33を残し、最多勝は逃したものの、勝率第一位のタイトルを手にしました。
パリーグですが、特筆すべきは何と言ってもソフトバンクの抑え、デニス・サファテ投手です。2017年シーズンにはなんと66試合に登板して防御率は驚異の1.09。日本プロ野球記録となるシーズン54セーブをマークするという偉業を成し遂げ、チームのリーグ優勝、そして日本一の立役者となりました。この活躍により、最多セーブ、最優秀選手(パリーグのMVP)、コミッショナー特別賞を受賞。さらには日本プロ野球の発展に貢献した人物に贈られる正力賞が、外国出身選手としては初めて贈られました。
先発としては、西武の菊池雄星投手の活躍も光りました。16勝6敗、防御率1.97でチームをリーグ2位に導き、最優秀防御率、最多勝利、ベストナインなどの賞を受賞しました。
2017年 プロ野球の本塁打王争い
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2017年のプロ野球本塁打王は、セリーグが中日ドラゴンズのゲレーロに輝きました。ゲレーロはドジャースでもプレーしたことがある元メジャーリーガーで、2017年からドラゴンズに加入、初年度から35本のホームランを放つ大活躍を見せましたが、既に退団が決定しています。
ヤクルトスワローズのバレンティンは32本のホームランを放つも惜しくも届かず2番手、横浜DeNAベイスターズのロペスが30本で3番手でした。日本人選手では筒香選手の28本が最高です。
一方パリーグは千葉ロッテマリーンズからソフトバンクホークスに移籍したデスパイネが、35本のホームランを放ち来日4年めにして初の本塁打王を獲得、同時に打点王にも輝くなど2冠を獲得しています。昨年パリーグの本塁打王に輝いた北海道日本ハムファイターズのレアードは、序盤の不振が響いたため32本の2位に終わり、3番手にはソフトバンクホークスの柳田選手と楽天イーグルスのウィーラー、オリックスバファローズのT-岡田選手が31本で並びました。
このほか過去6度タイトルを獲得している西武ライオンズの中村剛也選手は27本、WBC日本代表の中心選手として大活躍を収めた北海道日本ハムファイターズの中田選手は16本という成績に終わりました。
2017年のプロ野球記録
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毎年、プロ野球界では様々な記録が誕生しています。2017年にも偉業と讃えられるべきものや珍記録が誕生しました。まずは2000本安打です。2000本安打とは日本プロ野球界の名球会入りの条件となるもので、長年活躍していないと達成することはできません。2017年には、中日ドラゴンズの荒木雅博選手と読売ジャイアンツの阿部慎之助選手が達成しています。
プロ野球通算本塁打10万号という記録も誕生しています。10万号目の本塁打を打ったのは、オリックスブルーウェーブのクリス・マレーロ選手です。マレーロ選手は来日直後、本塁打を放ちますが本塁ベースを踏み忘れてアウトになってしまいました。しかし、この踏み忘れがなければ10万号目は回ってこなかったので、ファインプレーといえるかもしれません。
それから2017年は、大逆転劇が繰り広げられた年でした。5月には阪神タイガースが広島カープとの試合で、9点差を逆転するという試合がありました。9点差をひっくり返したのは、セ・リーグでは22年ぶりのことです。また、DeNAベイスターズと広島カープの対戦では、3試合連続サヨナラでDeNAベイスターズが勝つという試合がありました。首位チームが3試合連続サヨナラ負けを喫するのは、プロ野球史上初めてのことでした。
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2017年 プロ野球巨人の戦い方
プロ野球2017年シーズン読売巨人軍の成績はセリーグ4位のBクラスに終わりました。最後は横浜ベイスターズと僅差でクライマックスシリーズ進出が可能な3位争いを繰り広げましたが力が及びませんでした。
まずはシーズンが始まる前の前年オフ、2016年シーズンを2位で終えた巨人は高橋由伸選手をやや強引に勧誘して監督にした手前、優勝させるために大補強をしました。FAとなった日本ハムの陽岱鋼、DeNAの山口俊、ソフトバンクの森福を獲得し、外国人選手もマギーやカミネロなどを補強しました。しかしこの補強が2017年シーズンだけ見れば失敗したと言わざるを得ないでしょう。
山口俊は酔った勢いで暴力事件を引き起こし謹慎処分。成績も1勝1敗と散々な成績で森福も1勝3敗で登板回数、防御率、勝率と2016年シーズンと比べて全てが悪化。陽岱鋼も怪我で出遅れ開幕に間に合わず、シーズン中盤から出場するも成績は2016年シーズンと比べて全体的に悪化しました。
外国人選手はカネミロもマギーも好成績を収めましたが、マギーを獲得した結果、前半は村田がポジションを追いやられた結果、打線が悪く得点不足に陥ってしまいました。そして様々な要因が重なった結果ではありますが6月には球団史上ワースト記録の12連敗を喫する事となりました。
それまでは優勝圏内の成績でしたのでその12連敗で優勝の可能性が消え、イマイチな成績に終わったと言えます。ただ、菅野やマイコラス、田口や後半には畠山など投手陣が踏ん張った結果最下位になるほどの悪い成績ではなく4位に粘ったと言えるのではないでしょうか。
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2017年 プロ野球界戦力外通告の特徴
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日本人に愛され続けているプロ野球界で活躍できる選手はわずか一握りです。例えプロチームに入団できたとしても、毎年数多くの選手がオフシーズンに戦力外通告を受けて、来季からの構想外として厳しい現実を突きつけられます。20代前半で若くして活躍できないまま契約を解消される選手もいれば、長年球界を牽引してきた一流選手が思いがけず通告を受ける場合もあるのです。
戦力外通告を受けて来季からの構想から外れてしまった選手は、引退を決意したり再び活躍の場を求めて合同トライアウトに参加する選手もいます。また、他球団から現役選手としての誘いがあったり、球団のコーチやスタッフとしてそのチームに残れる選手もいますが、その数はほんの一握りなのです。
2017年の戦力外通告においては、多い球団では10人以上の選手に対してその通告が突きつけられるという厳しい現実がありました。特に2017年に関しては、本塁打王2年連続、ベストナイン4回、ゴールデングラブ賞3回という輝かしい経歴と共に長い間プロ野球界を牽引してきた村田修一選手に対して通告されたことが大きな話題になりました。その他にも球界の第一線で活躍してきた、楽天の松井稼頭央、西武の渡辺直人にも通告が出されましたが、それぞれは過去に在籍してきた球団に戻って、来季も選手として再スタートを切ることとなりました。その他にもソフトバンクの大隣憲司は優秀な成績を残しながら難病に冒され、その後苦しい手術とリハビリを経て劇的な復活を遂げましたが、来年度の構想外になり、トライアウトに参加しました。一流選手の通告が多い年であったと言えます。
2017年 プロ野球 一桁背番号獲得選手
2017年のプロ野球界もストーブリーグに突入しており、選手らの移籍や年俸などに関する話題に多くの注目が集まっています。また、移籍など来季の選手らの動向以外に注目が集まるのが背番号に関する話題です。
移籍組・ドラフト組ともに新たに入団する選手らはもちろんのことですが、2017年のシーズンの活躍が認められた選手が変更する背番号にも多くの注目が集まります。特に野球はポジションごとに番号が振り分けられているスポーツでもあり、1から9までの一桁の数字はチームを代表するような看板選手しかつけられない背番号でもあります。そして、新入団選手や2017年シーズンの活躍によって来季から一桁の番号を背負うことになった選手は、2017年12月1日現在で12人います。
新入団選手ではロッテの安田尚憲が5・藤岡裕大が4、オリックスの福田周平が4、DeNAの神里和毅が8、ヤクルトの塩見泰隆が9、阪神の熊谷敬宥が4を背負います。
2017年に活躍した選手ではDeNAの桑原将志が37から1へ、広島の安部友裕が60から6へと変更することが決まっています。また、最も多くの一桁の番号を背負う選手が誕生するのが西武で、外崎修汰が44から5へ、金子侑司が2か8へ、木村文紀が51から9へと変更し、楽天を自由契約となり古巣復帰を果たすことになった松井稼頭央も愛着ある7を背負うことになりました。
チームの顔的存在でもある一桁の背番号を背負う選手らの来季以降の活躍からも目が離せません。
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2017年 シーズンオフで注目されるコーチの移籍
2017年のプロ野球ペナントレースはセ・リーグが広島、パ・リーグがソフトバンクとともに2位以下に10ゲーム以上もの差を付けて優勝を果たしました。両球団ともにベテラン・中堅・若手が一体となり圧倒的な強さを2017年シーズンも見せましたが、多くのプロ野球ファンが注目するのは能力の高い若手選手が次から次へと出てくる点だと思います。そして、その若手選手の育成も担っているのが監督やコーチであるのは間違いありません。しかし、これまで圧倒的な強さを誇る両球団の選手と監督を支え続けてきた指導力に定評のある複数のコーチが、2017年シーズンを最後に他球団へ移籍することがすでに決定しているのです。
広島では1軍で外野守備・走塁担当していた河田雄祐と1軍打撃担当の石井琢朗が共にヤクルトへ移籍します。
そして、ソフトバンクでは1軍投手担当の佐藤義則が楽天へ、1軍外野守備・走塁を担当していた鳥越裕介と1軍バッテリー担当の清水将海が共にロッテに移籍します。
また、ソフトバンクホークスの場合には2軍打撃担当の藤井康雄もオリックスに移籍することも決まっているなど、同一リーグのライバル球団へのコーチ流出が目立っています。
特に1軍のバッテリーに関する指導を行っていた佐藤義則と清水将海に加え、ロッテではヘッドコーチを務めることになる鳥越裕介が移籍するソフトバンクにとっては情報流出なども含め大きな痛手となりそうです。
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プロ野球ファンに読まれるサンケイスポーツ
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サンケイスポーツは2017年シーズンも多くのプロ野球ファンに読まれました。関西でもこのサンケイスポーツの愛読者は多く、地元の阪神タイガースの情報を知るために多くのファンに親しまれています。
2017年は阪神タイガースは2位と前年の4位から躍進しました。独走を許した広島とはゲーム差をつけられてしまったものの、3位DeNA以下の4チームよりは安定した戦いぶりをして最終的に2位を確保しました。今シーズンの阪神タイガースの好成績を支えたのは何と言っても安定したリリーフ陣の活躍でした。桑原、マテオ、ドリスという強力な布陣は他球団を圧倒し、リードした状態で終盤に持ち込むと高い確率で勝利するといった戦いぶりだったのです。
また、セリーグでは巨人とヤクルトの思わぬ不振も結果的に阪神の2位躍進の要因の一つになりました。ヤクルトは90敗を超える負け数を記録し、「歴史的大敗」の責任を取って真中監督がシーズン途中で今季限りで退団を発表するということにもなったのです。また、巨人は菅野、マイコラス、田口という強力な3枚の先発陣を誇りながらも13連敗を喫するなど、最後まで波に乗れないシーズンでした。結局2006以来のBクラスでシーズンを終えました。
スポニチは2017年もプロ野球を盛り上げた
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2017年もプロ野球は多くのファンを楽しませてくれました。マスコミも例年同様に球界を盛り上げることに貢献し、多くの愛読者を持つスポニチもそういった新聞社の1つでした。
結局はシーズン前に戦力が抜けていると評価の高かった福岡ソフトバンクホークスが日本一になって幕を閉じたわけですが、2017年はいろんな誤算もファンを驚かせたシーズンでもありました。最大の誤算と言えば名門巨人の13連敗でしょう。V9時代の無敵の強さを知るファンともなれば、「あんなに強かった巨人がなぜこんなことになってしまったのか?」という疑問も持ったものです。くしくも交流戦の時期にこの大型連敗を喫したため、パリーグのファンにも体たらくぶりを露呈する結果になってしまったのです。
スポニチは巨人系列のスポーツ紙ではありませんが、これだけの大型連敗をしたチームを小さな報道で済ますわけにはいかず、連敗が延びるにつれて紙面で「連敗」の文字がどんどん大きくなるという事態も生んでいきました。また、昨年の日本一チームの北海道日本ハムも2017年は開幕から大いに躓き、結局一度も首位戦線に加わることなくシーズンを終えました。日本ハムは何と言っても大谷選手のケガが誤算でした。